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感染性胃腸炎とは
感染性胃腸炎とはウイルスや細菌などに感染し、発症する胃腸炎の総称です。特に冬場に多く、昔は「お腹にくる風邪」とも言われていました。ウイルス性胃腸炎と細菌性胃腸炎の違いは、ウイルスか細菌かの違いです。
どちらの症状の場合でも自己判断で下痢止めなど服用せず、早めにかかりつけの病院へ受診することをおすすめします。
ウイルス性胃腸炎
ノロウイルスやロタウイルスといったウイルスが代表的です。どちらのウイルスも数十個~100個で感染(発症)してしまいます。
また、症状が落ち着いても1~4週間は便からウイルスが出ますので、気を付けて下さい。
ノロウイルス | ロタウイルス | |
---|---|---|
感染 | 10個~100個で感染 | 10個~100個で感染 |
潜伏期間 | 1-2日 | 1-3日 |
症状 | 下痢・嘔吐が3日程度 発熱37℃程度
| 乳幼児(生後3ヶ月〜2歳)、子供に多い 下痢・嘔吐が3~7日程度 38~39℃程度 特に便は、クリーム色や白っぽく 臭いが独特(酸っぱい臭い) |
抗体 | 一度かかっても抗体は6か月から1年くらいなので、毎年かかる方もいます。 | 一度かかると抗体ができるので、次回感染しても症状が軽くなる場合もありますが、何回か感染しながら抗体ができる方もいます。 乳幼児には6週から摂取できるワクチン(任意)があります。 |
細菌性胃腸炎
黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌(牛・豚・鶏)、カンピロバクター(牛、豚、鶏、犬、猫)、腸炎ビブリオ(カキなどの魚介類)、病原性大腸菌(O157など)といった菌が代表的です。食中毒として1年中ありますが、特に梅雨の時期など食べ物が傷みやすい時期に多いいので、気を付けて下さい。
細菌性胃腸炎の場合は、潜伏期間は黄色ブドウ球菌のように1-6時間から病原性大腸菌(O157など)3-5日と細菌によって違います。症状は激しい腹痛や嘔吐・下痢・血便などがあります。
ノロウイルス、ロタウイルスの対策
ウイルス性感染症の場合は細菌性感染症と違い、ウイルスは抗生剤が効かないので症状が落ち着くのを待つしかありません。また、アルコールでウイルスは除去できません。
家庭内で感染者が出た場合は、家庭内二次感染を防ぐための対策が重要です。対策としてはウイルスを持ち込まない(触らないこと)が重要です。
ペーパータオルを使う
感染者がトイレ等で手洗い後にタオルを使った場合、同じタオルを家族内で共有すると感染するリスクが高まります。使い捨ての紙タオルを使う事をおすすめします。
徹底的な手洗い
感染していないと思っていても手にウイルスが付着している事もあります。また、感染者も衛生的な手洗いをおこない他人に感染させない事も重要です。特に指と指の間や手の甲、指先の洗い残しが多いようなので、十分に洗ってください。
出典:日本食品衛生協会 「手洗い手順」(PDF:520KB)参照
十分に加熱調理する
ウイルスは一般的に熱に弱いため、ノロウイルスを防ぐためには85~90℃で90秒間以上の加熱が必要とされています。表面だけではなく食品の中心部まで十分に加熱調理してください。
カキなどの二枚貝はプランクトンとともにノロウイルスを摂取し中腸腺と呼ばれる器官にウイルスを濃縮・蓄積します。魚介類、特にカキなどの二枚貝は、生で食べないで、加熱処理しウイルスを失活させてから食べることが重要です。調理中に手にウイルスが付着する可能性もありますので、こまめに手洗いをおこない、まな板や包丁なども調理のたびに洗うことでリスクは抑えられます。
汚物・嘔吐物の処理方法
もし万が一、子供や家族がリビングや部屋などで嘔吐してしまった場合は適切な処理を行うことで感染のリスクは抑えられます。保育園や学校、職場などの集団感染を予防するためにも十分な処理を行うことが重要です。
厚生労働省 「ノロウイルス食中毒予防対策」(PDF:690KB)参照
何回も言いますが、ウイルスにアルコールは効きません。
処理をするには
- 手袋
- マスク
- エプロン(ガウン)
- 靴カバー
を着用して下さい。
ウイルスの処理にハイターを使用する場合は、ハイター(塩素系)を使ってください。ワイドハイター(酸素系)では効果はありません。
消毒 | 処理 | |
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処理内容 | 室内(ドアノブ、床)の掃除 | 嘔吐物の処理 |
塩素酸濃度 | 200ppm(0.02%)以上 | 1000ppm(0.1%)以上 |
キッチンハイター ハイター | 次亜塩素酸濃度を5%、キャップ1杯を約25mlとして
| 次亜塩素酸濃度を5%、キャップ1杯を約25mlとして
|
キッチン泡ハイター | - | そのままスプレーする |
方法 | 次亜塩素酸をかけてふき取る。 次亜塩素酸ナトリウムは金属を腐食してしまうので、十分にふき取って下さい。10分後に水ふきをして下さい。 | 汚物の周りを新聞紙やペーパータオルでガードして汚物と同量以上の次亜塩素酸を飛び散らないようにかける(嘔吐物凝固剤がある場合は先に凝固させてからかける)10分後にふき取る。 |
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